JAPANESE YEAR ZERO OFFICIAL BOOK


参加執筆者(五十音順): アレクサンダー・ザルテン(日本映画研究者)、斉藤綾子 (映画研究者)、谷百合子(映画研究者)、磐樹炙弦(現代オカルティズム研究)、フェルナンド・サッフォー(シュルレアリスム研究者)、山形浩生 (翻訳家、作家)
そのほか長谷川億名監督✖️Kid Fresinoや、写真家の細倉真弓とのコダクローム64を現像しながらの対談。 守屋雄介(デュアル・シティCGディレクター)によるグラフィック、 イリュミナシオン劇中のドローイングを手がけている澤田ミキのイラスト、 石田法嗣のほか、出演者によるエッセイ、監督と脚本家による作品解説、 「イリュミナシオン」「デュアル・シティ」の影響源となったブックリスト20点、 2046年までの未来年表、人物相関図、劇中では明らかにされていない設定、 日本零年第三部を含めた次回作への展望など、合計62Pの充実した映画攻略本になっています。
著者について
アレクサンダー・ザルテン
ハーバード大学東アジア言語・文明学部准教授。ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ(ドイツ)映画学博士課程修了。2003年から2005年まで日本大学で論文研究を行い、2009年から2011年まで明治学院大学言語文化研究所特別研究員。トングク大学(韓国)デジタルメディア学科准教授(2011-12)を経て、現職。1960年代以降の東アジア、特に日本の映画や視覚文化について、歴史的、政治性のさまざまな視点から考察し、ピンク映画や角川映画、Vシネマのような大衆映画における普及システムの変換などをテーマに論文を執筆。
フェルナンド・サッフォー
パリ第8大学にて、シュルレアリスム運動を研究のかたわら政治運動に心血を注ぐ。アントナン・アルトーやジャック・リゴー、ジャック・ヴァシェ、ジャン・ピエール・デピュレーに関する多数の論文を発表後、突如として学会から姿を消す。その後、南アフリカのヴィッドヴァータースランド大学の医学部に編入し、ケニアの国立病院に勤務。現在は医者として診療所を営みながら、シュルレアリスム運動を研究している。
谷 百合子(たに ゆりこ)
大阪大学(旧大阪外国語大学)大学院言語社会研究科地域言語社会選考南欧コース(フランス語)博士前期課程修了。パリ第三大学映画・視聴覚研究科マスター2終了。大阪大学大学院文学研究科文化表現論選考(美学)博士後期課程修了、博士(文学)現在、大阪府立大学非常勤講師。専門は映画論。映画における映像と音声の関係や、他芸術から映画へのアダプテーションについて研究している。これまでに、マルグリット・デュラス、ジャン・コクトーの作品論を執筆。最近は、神話と映画の関係にも興味を持っている。
磐樹 炙弦(ばんぎ・あぶづる)
メディア環境、身体、オカルティズムとアクティヴィズムをスコープとし、翻訳、執筆、ワークショップを展開。心療内科・精神科HIKARI CLINIC(岡山市)にてフローティングタンク担当。
斎藤 綾子(さいとう・あやこ)
上智大学文学部心理学科卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)映画テレビ学部大学院博士課程修了、哲学博士(映画学)。明治学院大学文学部芸術学科教授。専門は映画理論、特にフェミニズムや精神分析理論とジェンダー分析を中心とする。共編著に「映画女優 岩尾文子」(みすず書房、2003)、「映画の政治学」(青土社、2003)「男たちの絆、アジア映画」(平凡社、2004)「ファスビンダー」(現代思潮新社、2006)「映画と身体性」(森話社、2006)、「ヴィジュアル・クリティシズム」(玉川大学出版部、2008)「戦う女たち」(作品社 2009)、「横断する映画と文学」(森話社、2011)、「人種神話を解体する」(東京大学出版、2016年)など。また「ふぇみん」の映画評を担当。
山形 浩生(やまがた・ひろお)
東京大学都市工学科修士課程およびMIT不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務のかたわら、小説、経済、建築、ネット文化など広範な分野での翻訳および雑文書きに手を染める。文学の分野では、学生時代のファンジン「バロウズ本」以後、ありとあらゆる先鋭的な作品を紹介。著書に「たかがバロウズ本」、「新教養主義宣言」(河出文庫)、ピケティ「21世紀の資本」(みすず書房)、最近ではフィリップ・K・ディックの「ヴァリス三部作」の新訳などほか多数。
原 智広(はら・ともひろ)
三部作のオリジナル脚本である「日本零年」執筆のほか、「イリュミナシオン」、「デュアル・シティ」のプロデューサーを兼任。現在ジャック・ヴァシェの書簡、ジュリアン・トルマ、パンジャマン・ペレとピエール・ナヴィル編集の機関紙「シュルレアリスム革命」の翻訳を進めている。
長谷川 億名(はせがわ・よくな)
Yokna Patofa名義で写真家としては、Google Mapと中国の画家Tianjia Zhaoのスカイプを通したポートレイト, 若き日のKid Fresinoの肖像を虚構の物語と交錯させ、映画イリュミナシオンの到来を準備した『Ascension River』で2013年度キヤノン写真新世紀佳作受賞。写真集『67eyes(2017)』。 CO2(シネアストオーガニゼーション大阪)の助成監督として制作した初長編『DUAL CITY(2015)』は、毎年フランクフルトで開催されているニッポンコネクション2015においてNippon Visions Jury Award審査員特別賞を受賞したほか、現在までにシドニー、ロンドン、ボストン、サンティアゴなど世界各地の映画祭で上映されている。2017年、第9回恵比寿映像祭において、特集上映が行われる。第69回ベルリン国際映画祭ベルリンタレント部門招待監督。
企画/制作 EK-Stase
編集/翻訳 原智広 長谷川億名
監修 原智広